「子どもが不登校だけど、将来どうしたらいいのかしら・・・」このような不安を抱える保護者様は多いです。
人間関係や体調の問題で中学校には行けないけど、
- 勉強は頑張りたい
- 高校に行きたい
というお子様の思いを応援したいのが親心でしょう。
とはいえ、不登校でも高校に行けるのか、行けるならどんな高校で、どんな準備が必要なのか、調べ方や誰に相談したらいいかなど、わからないことも多いですよね。
そこで今回は、不登校の中学生が高校に進学するための4つの方法をご紹介します。
私立高校や通信制高校以外にも選択肢があります!ぜひお子様に最適な高校選びにご活用ください!
Contents
不登校の中学生はどのくらいいる?その後の進路は?
現在、不登校児童生徒は18万1000人ほどいると言われています(2020年「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より)。
前年度は16万4,000人だったことから、わずか1年で2万人近くに増えました。
不登校児童生徒の内訳を見てみると、
- 約70%近くにあたる12万7800人が中学生
- そのうちの40%が中学3年生
だと言われています。
子どもが学校に行けていない期間が長くなってくると、「この子は、進学できるのだろうか…」と不安が募りますよね。
大丈夫です、安心してください。
実は、不登校の中学生のうち87%の中学生が高校に進学しているのです。
では、不登校の中学生が高校に進学するには、どのような進学方法があるのでしょうか。
不登校の中学生が高校に進学する方法
中学卒業後の進路というと、一般的なのが全日制公立高校進学ですが、実はこのほかにもさまざまな進路が用意されています。
- 全日制高校
- 定時制高校
- 通信制高校
- 高等工科学校
- 通信制サポート校
- 技能連携がある専修学校高等課程
- 留学
- 高等専門学校
実はこれだけたくさん種類があるのです!
これだけ選択肢があると、お子さまに合った進路はどれなのか、気になりますよね。
ここでは、
- 通信制高校
- 専修学校高等課程学校
- 定時制高校
- 全日制公立高校
この4つの高校への進学方法について詳しく解説していきます。
(1) 通信制高校
通信制高等学校とは、通信教育で学習し、高校卒業資格を取得する高校です。在学期間は3〜4年ほどです。
不登校の中学生や高校生、また高校を中退した生徒の最大の受け入れ機関として、全国におよそ250校が設置されています。
公立高校も私立高校もあり、毎日学校へ通学しなくても学習ができる学校です。
学習方法は主に
- レポート
- スクーリング
- 試験
の3つとなっています。
不登校だった中学生や高校を中退した生徒だけではなく、集団生活への不安がある子や体力面が心配な子などが通うケースも多いです。
最近では、フィギュアスケート選手の紀平梨花さんやタレントのみちょぱさんが通っていた、学校法人角川ドワンゴ学園が設置する「N高等学校」が有名です。
生徒の自主性を重んじる学校ですので、個々の事情に沿った学習ができるのが魅力です。
一方で、卒業までの3~4年ほどの期間を自宅で学習することは想像以上に強い意志が必要となります。そのため、通信制サポート校と併用する場合も多いです。
(2) 専修学校高等課程学校
中学卒業以上であればだれでも入学することができるのが、専修学校高等課程学校です。
一般的に「専門学校」というと、高校卒業資格を持っていないと入学はできない学校がほとんどですが、専修学校高等課程学校では専門課程と同時に高校の勉強である高等課程を学ぶことができます。
国語や数学、体育といったいわゆる高校の授業と並行して、工業・ビジネス・デザイン・理容美容・調理製菓・看護などその学校ならではの専門課程を学べることが魅力のひとつです。
不登校の中学生で勉強に対してネガティブなイメージを持っている場合でも、自分のやりたことや夢につながる勉強だと頑張れる子もいます。
このような中学生には最適な学校でしょう。
ただし、あまり学校数が多いわけではないので、入学しにくいことがデメリットです。
(3) 定時制高校
少し前までの定時制高校は、働きながら高校に通いたい人が行く学校というイメージがあったかと思います。しかし現在では、入学する生徒の境遇が多様化しています。
そのため、公立・私立に限らず、ここ数年は単位制の学校がほとんどです。
単位制高校とは、決められた単位数を履修することで卒業できる高校のことを指します。
定時制高校は全日制高校よりも授業数が少なくなっているため、ほとんどの場合が卒業まで4年かかります。
しかし、単位制の主流化で生徒の頑張りによっては3年での卒業が認められるケースも増えてきました。
入学試験では、全日制と異なり、基本的に中学の内申点が必要ない場合がほとんどです。
不登校でなかなか学校へ行けず、内申点がなかなかつかなかった場合に、全日制よりも不利な点が少ないです。
また学力試験がある場合がほとんどですが、面接を重視する学校もあります。
定時制高校は夕方以降に授業が始まる学校が大半ではありますが、なかには午前中やお昼から授業が始まる学校もあり、人気を博しています。
通信制よりも学校に行く回数が多く、全日制よりも短い時間の通学なので、中学校生活でお休みが多くても、少しずつ生活リズムを取り戻したり、集団生活を楽しんだりすることができます。
(4) 全日制公立高校
一般的にもっとも多くの中学生が進学するのが、全日制公立高校です。
今では志望校学区制度がない地域が多いため、自分の住んでいる都道府県であればどの高校でも受験可能な場合がほとんどです。
東京都や神奈川県はそれにあたります。
中学ではなかなか学校に行けなくても、今までと違う場所や特定の人物がいない学校なら頑張れる!という場合もありますよね。
全日制公立高校を受験する際に不安な点として、欠席が多いことによる内申点の低さが挙げられます。
でも、大丈夫です。それでも全日制公立高校へ行く方法はあるのです。
不登校の中学生が神奈川県の公立高校に進学する方法
神奈川県立高校への進学を希望する場合、
- 2月中旬に行われる一次募集
- 3月中旬に行われる二次募集
の高校入試を受験することになります。
多くの高校が
- 調査書(内申点)
- 学力検査(+特色検査 ※特定の学校のみ)
- 面接試験
の3つの観点により、合否を決めています。
ただ、このすべての観点を使って合格をするのは、90%の受験生です。
実は残りの10%の受験生は、調査書(内申点)が加味されずに合格することができます。
方法(1) 一次選抜の二次選考を狙う
神奈川県の公立高校入試(共通選抜)の一次募集は、以下の方法で合格者を出しています。
| 一次選抜 | 定員 | 調査書(内申点) | 学力検査 | 面接 |
|---|---|---|---|---|
| 一次選考 | 90% | ○ (2年3学期+ 3年2学期×2) | ○ | ○ |
| 二次選考 | 10% | × | ○ | ○ |
ここで注目したいのが、二次選考です。
一次選考とは違って、二次選考では調査書(内申点)が考慮されず、学力検査と面接のみで合否判定がなされます。
調査書とは?
調査書とは、いわゆる内申点を指します。
内申点とは、学期末に受け取る通知表に書かれている「1~5」の数字のことを言います。
各都道府県により、高校入試で使われる内申点は異なりますが、神奈川県では、中2の3学期と中3の2学期の2倍の総和が、合否判定で活用される内申点となります。
【中学生】内申点はどう決まる?仕組みと内申点の上げ方を解説!
中学生と保護者様が知るべき内申点の仕組みと対策法
中学生にとって最も重要な成績が内申点です。内申点の点数によって、受けられる高校が決まります。しかし実際は、…
Read Moreそして不登校生にとって、一番厄介といってもいいものがこの内申点なのです。
不登校だと内申点を取りにくい
中学の内申点(通知表)は主に
- 中学校の定期テスト
- 授業態度
- 提出物
で決まっています。
不登校が理由で長期に渡って学校を休んでいると
- 定期テストが受けられなかった
- 提出物が出せなかった
ということは多いですね。
なかには「せめて提出物だけでも出そう…!」とがんばっている子もいますが、それだけではなかなか内申点に繋がらず、もどかしい思いをしたこともあるかと思います。
このような理由から、不登校生にとって公立高校はハードルが高いものになっています。
二次選抜なら内申点不要
しかし、不登校で内申点がないから公立高校を諦めるのは、大変もったいないのです。
なぜなら、神奈川県の公立高校の二次選抜では内申点が必要ないからです。
つまり試験当日の得点だけで合格をすることができます!
募集定員の1割という狭き門ではありますが、神奈川県の公立高校入試には、勉強する意欲がある子であれば、内申点がなくても行きたい学校をあきらめず目指せる仕組みがあるのです。
これまでお会いしてきた不登校生のなかには、
- 勉強したいけど、学校には行きづらい
- 保健室登校だが、勉強は好き
- 学校を変えて、毎日学校に通う生活に挑戦したい
という思いを持った中学生もいました。
また保護者様からも「学校を長期欠席してしまうと、勉強も追いついていないし、内申点もないし、通信高校しかないのでしょうか。」とご相談をいただくことがたくさんありました。
だからこそぜひ、不登校のお子様の進路でお悩み保護者様に知っていただきたいのです。
神奈川県公立高校の二次選抜を使うことで、もう一度、「毎日学校に通う生活」に挑戦することができます。
学校や関わる友達が変わると、朝から学校へ行けたり、行事を楽しめたり、勉強に身が入るようになったりするお子様は大勢います。
もし、今は不登校だけど公立高校にチャレンジしたいという中学生は、受験勉強を頑張っていきましょう!
高校入試はプロの手を借りるのもおすすめ
お子様にとっては初めての受験になる高校入試。
- どうやって勉強していけば合格できるのか?
- そもそもどの教科で何点取れば合格できるのか?
- 長期にわたる受験勉強でモチベーションが続かない・・・
高校入試にはこういった不安や疑問がつきまといます。
中学生が一人で合格に近づく受験勉強することは難しいことです。そのため、学習塾やフリースクールなどを活用して、勉強サポートやモチベーション管理をしてもらうと、よりスムーズに勉強に集中できますよ!
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方法(2) 二次募集を狙う
これまでは2月中旬に行われる一次募集についてお話しました。
この一次募集で欠員が出た場合のみ、3月中旬に二次募集が行われます。
神奈川県公立高校入試の二次募集では
- 調査書
- 学力検査(国・数・英)
の2つの観点で合否が決まります。
ただ、一次募集とは異なり、二次募集で見られるのは主に学力検査となります。
そのため、3教科の勉強に集中することで合格になる可能性があるのです。
一次募集とは異なり、全ての高校で実施されるわけではない点に注意が必要です。
【まとめ】不登校でも高校に行ける!
今回は、不登校の中学生が高校に行くための4つの方法について解説してきました。
- 不登校の中学生のうち約9割は高校に進学している。
- 高校にもさまざまな種類があるので、お子様に合った高校選びが大切。
- 不登校の中学生でも公立高校に進学することはできる!
- 神奈川県公立高校であれば、2月中旬の一次募集の二次選抜の活用がおすすめ!
- 二次選抜では、当日のテストの結果のみで合格できる。
- 3月中旬の二次募集は、一次募集で欠員が出た場合に行われる。
- 二次募集は数・国・英の3教科の学力テストが重要!
このように、不登校での長期欠席でなかなか内申点が取れなくても、公立高校をあきらめる必要はないのです。
高校選びを諦めてほしくない理由の一つに、将来の進路があります。
高校選びによって、その先の進路の方向性が変わっていくことは非常に多いです。
大学進学を主とする高校もあれば、その中でも推薦入試に力を入れている高校もあれば、一般選抜に向けた指導に力を入れている高校もあります。
もちろん、専門学校や就職に強い高校もあり、その特色はさまざまです。
中学生で学校になかなか行けなかったからといって、将来の夢をあきらめる必要はありません。
やり方はあるのです。
情報を入手し、正しく活用することで、見えなかった道が見えてきます。
ただ、正しい情報を手に入れたりすることは、簡単ではありません。実際、たくさんのご家庭を関わらせていただくなかで、お母さんやお父さんだけでは難しいことなのだということを強く感じています。
だからこそ、学校や学習塾、フリースクールなどさまざまな機関を使い、是非お子さまが頑張れる環境に出会ってほしいと思っています。
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